記事作成:平成23年6月9日
法人であれば、たいてい税理士と顧問契約を結びますが、顧問契約は結ばすに、決算のみ税理士に依頼するという方法もあります。
メリットは、月々の顧問料を払わなくてもいいということですが、決算の時しか税理士との接触がないので、決算以外の業務(年末調整、源泉所得税の納付、予定納税、各種届出など)は自分でやるか、その都度税理士に依頼する必要があります。
また、利益・納税額の予測なども自分で行わなければならないので、いざ決算を組んでみたら予想外の税金が出ることになってしまったということもあるでしょう。節税対策をしようにもその段階ではほとんど手遅れです。
このようなことから、月々の顧問料はかかってしまいますが、顧問契約を結んだ方が結果的に得をするという可能性は高いと思います。
ただ、売上がほとんどない会社や、また、会計事務所の勤務経験があるなどで税務・経理のことがある程度分かっているような場合には決算のみの依頼でもいいかもしれません。
ちなみに税理士の側からは、決算のみの依頼というのはどちらかというと今まで敬遠されてきたのではないでしょうか。
理由は、顧問料がないので顧問契約を結んで場合に比べて単価が低いこと、一度に一年分処理しないといけないので大変だし、またきちんと正しい申告ができるのか不安があること、事前に納税予測・節税対策をすることができず、納税額にお客さんが納得しない場合でもどうすることもできずトラブルになる恐れがあること、などがあります。
ただ最近は、決算のみの依頼に的を絞ってネットで集客しているところがいくつか出てきました。多分、通常の顧問契約の場合だと今は競争が激化しているため、あまり税理士が積極的に受けたがらない決算のみを狙ったのでしょう。
料金は信じられないほど安いです。(一番安いところで6万円くらいでした)
常識的に考えてとても採算が取れるとは思えません。
オプションなどで高くなるのか、決算のみで集客して顧問契約につなげる戦略なのか、あるいは僕の想像を超えた合理化がなされているのか(多分ないと思いますが…)。
まあ今は税理士の競争が激しく価格破壊が起きているような状況です。
確かに安ければ安いほどいいという方も多いでしょうが、お客さんのニーズも様々ですので、うちは今までどおりサービスと価格とのバランスを大事にしてやっていきたいと思います。