記事作成:平成22年5月27日
今回は相続税の小規模宅地の特例についての改正です。
小規模宅地の特例とは、被相続人が居住用または事業用に使用していた宅地については、相続人の生活基盤維持などの観点から、評価の減額を認めるというものです。
この小規模宅地の特例について次の改正が行われました。
①相続人が居住または事業を継続しない場合には適用を除外する。(改正前では200㎡まで50%の減額が認められていました。
②一つの宅地を共有で相続した場合には、取得者ごとに適用要件を判定する。(改正前では、相続人の一人が要件を満たせば、他の相続人も特例を受けることができました。)
③居住用の部分と貸付用の部分があるマンションの敷地等については(被相続人が賃貸マンションを所有していて、その一室が被相続人の自宅となっていたようなケースです)、それぞれの部分ごとに按分して減額割合を計算する。(改正前は全体について居住用の80%減額を適用することができました。)
①の改正については制度の趣旨に沿うようにしたもの、②に③の改正については不合理であった部分を解消したものでありますが、いずれの改正も納税者にとっては不利なものとなっています。
なお、これらの改正は平成22年4月1日以後の相続から適用されます。