記事作成:平成22年4月12日
3月24日に平成22年度税制改正が国会で可決・成立しました。
前回の記事(扶養控除)からずいぶん間が空いてしまいましたが、内容について順次ご紹介していきたいと思います。
今回は「特殊支配同族会社における業務主宰役員給与の損金不算入制度の廃止」についてです。
この規定について簡単に説明させていただきますと、まず、特殊支配同族会社というのは、次を両方とも満たす会社をいいます。
①社長とその親族で会社の株を90%以上所有
②常勤役員の過半数が社長とその親族
そして、この特殊支配同族会社のうち一定の儲けのある会社(会社の利益+社長の給料が1600万円以上の会社など)については役員報酬のうち給与所得控除相当額が経費にならないというものです。
(具体例)会社→役員に役員報酬年1000万円支給している場合
1000万円の場合の給与所得控除額は220万円ですので、経費として認められるのは1000万円から220万円を引いた780万円のみとなります。
以上が「特殊支配同族会社における業務主宰役員給与の損金不算入制度」の大ざっぱな説明ですが、この制度が廃止されることになりました。
廃止になるのは平成22年4月決算からです。
この規定については、何かと問題が指摘されておりましたし、また、この規定の適用を受けていた法人については廃止により税負担が軽減されるため、喜ばしい改正だとは思うのですが、平成23年度税制改正で、個人事業者との課税の不均衡の是正と、「二重控除」の問題を解消するための抜本的措置が講じられるとあります。
つまり、この規定は廃止となりましたが、それに代わる何らかの措置が来年の税制改正で行われる予定のようですので注意が必要です。